法人カードの申込み手順(実質的支配者)について解説します。

法人カードの申告手順改正について

(最新更新日:2017年9月17日)

法人カードの申告手順改正について

 

平成28年(2016年)10月1日より、「犯罪収益移転防止法」の法律改正があったのをご存知でしょうか?
そして、この法律改正に伴い、法人カードへの申込み手続きの際に行う申告手順に少し変更がありました。

 

具体的に、法人カードへの申込手順にどのような変更があったかというと、「実質的支配者」に関する申告内容の部分です。

 

しかし、多くの方はこの記事を読まれた際に以下のような疑問を抱かれるかと思います。

「そもそも『犯罪収益移転防止法』って何?」
「『実質的支配者』って誰のことを指すの?」
「改正前と現在でどのような違いがあるの?」

上記のような疑問を持たれている方も少なくないでしょう。
今回、当ページでは、法人カードの申込みの際に重要な「申告方法」について詳しく解説していきます!

 

では、まず「犯罪収益移転防止法」とは一体どのような法律なのか見ていきましょう!

 

犯罪収益移転防止法とは?

法人カードの申告手順改正について

 

「犯罪収益移転防止法」とは、近年多発しているマネーロンダリング(※)などの犯罪による収益移転を未然に防ぐため、そして、安心と安全に守られた生活と正しい経済を保持していくために定められた法律のことを言います。

 

そして、日本をはじめ、世界各国と協力し、マネー・ロンダリングなどの金融トラブルを防止するために、改正犯罪収益移転防止法により、銀行やカード発行会社の窓口では、必ず取引時に確認をすることが義務付けられるようになりました。

(※)マネー・ロンダリングとは、不正で得た資金を正当な資金に見せかけて、既存の口座から別の新規口座へ移転させることで資金の出所を隠ぺいし、金融機関に新規口座を開設するなどの不正行為のこと。

 

上記の法律(犯罪収益移転防止法)が2016年10月に改正された影響で、法人カードへの申込みする際に実質的支配者の申告が必要不可欠となりました。
では、具体的にどのような人が該当するのか説明していきましょう。

 

実質的支配者の申告とは?

法人カードの申告手順改正について

 

実質的支配者とは、「法人全体の事業経営の決定権を有している人(個人)」のこと言い、法人の経営全体を実質的に支配することが可能な人のことを呼びます。

 

以下の表は「実質的支配者」の定義を表したものとなります。

 

 

【実質的支配者の定義】
会社の「25%」以上の議決権(株など)を保有することによって、法人の全体事業に支配的影響力があると認められる自然人(個人)が該当されます。

 

「議決権25%以上の場合」

法人カードの申告手順改正について

 

A社の議決権の「30%」以上を保有するB社、そして、B社の議決権「50%」(※)以上を保有するCさんは、間接的にA社の議決権を「30%」保有していることになり、結果的にCさんはA社の実質的支配者に該当されます。

(※)Cさんが議決権「50%」(B社)以上を保有している場合、間接保有という形で計上されます。
従って、Cさんは議決権の「50%」(B社)以上保有していない場合、CさんはA社の実質的支配者には該当しません。

 

 

「議決権25%以下の場合」

法人カードの申告手順改正について

 

A社の議決権(株など)の「10%」を保有するB社、そして、B社の議決権「50%」(※)以上を保有するCさんは、A社の議決権(株など)も「20%」の保有している場合、B社を通じた間接保有「10%」と、直接保有「20%」合計して、「30%」 となるため、CさんはA社の実質的支配者となります。

(※)Cさんが、B社の議決権(株など)の「50%」以上を保有する場合のみ、間接的に保有され、合算れます。
従って、CさんがB社議決権(株など)の 「50%」以下しか保有していない場合、CさんのA社に対する議決権の保有割合は直接保有する「20%」のみと計算され、CさんはA社の実質的支配者には該当しません。

 

以下は警視庁の公式Webサイトで公表している「実質的支配者の定義」に関する内容文となります。(※引用文)

 

法人カードの申告手順改正について

【実質的支配者とは】
実質的支配者とは、法人経営を実質的支配が可能な自然人のことをいい、法人との関係性や性質によって規制させれている。
そして、平成27年に定められた「犯罪収益移転防止法」を平成28年10月1日に規則改正し、議決権(株など)を所持した法人を支配する自然人(個人)まで事実確認することになりました。

 

出典:犯罪収益移転防止法の解説、パブリックコメント|JAFIC 警察庁
https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/law_com.html

 

警察庁での公式ウェブサイトでは、実質的支配者とは、法人の事業経営での議決権を保有し、実質的に運営を支配可能である自然人(個人)のことを述べています。
従って、犯罪収益移転防止法の改正に伴い、最も重要とされているのは「法人全体を支配している個人(自然人)」を特定し、申告する点です。

 

2016年10月以前までの犯罪収益移転防止法は、「実質的支配者」の該当者には法人も該当していましたが、規制改正後、実質的支配者の確認の際に、法人は該当外となり、実質的な事業運営を支配可能な自然人(個人)まで確認し、申告義務が必要事項となります。

 

個人事業主は申告が必要なのか?

法人カードの申告手順改正について

 

上記では、2016年10月に改正された犯罪収益移転防止法による法人対象の申込手順の変更ついて説明させていただきました。

 

では、法人ではなく、個人事業主の方による法人カードへの申込方法には影響はあるのか。
個人(自然人)が実質的支配者の対象なのであれば、個人事業主も同じく、申告をする必須だと思う方も少なくないでしょう。

 

法人の場合、申込み時に必ず会社の実質的支配者の申告が必須ですが、法人ではなく、個人事業主の申込み場合、申告手続きは必要ありません

 

上記でも少し解説させていただきましたが、基本的に実質的支配者とは、「法人経営を実質的に支配可能な権利を有している者」と定義されています。従って、個人事業主は対象外となります。

 

さらに、個人事業主と同様に、国、独立行政法人、地方公共団体や人格のない財団(もしくは社団)も申告する必要はありません。

 

法人の性質の違いによって実質的支配者の該当者は異なる

法人カードの申告手順改正について

 

上記で解説した法改正によって、法人カードの申し込み項目や申告条件についてはご理解していただけましたか?
法人経営に直接的に関わっていなくても、一定以上の議決権(株など)を間接保有している自然人(個人)の場合、実質的支配者となります。

 

では、法人の中でも、どのような性質(業態)の法人が該当されるのでしょうか。
次は、実質的支配者の定義について解説していきます。

 

実質的支配者の定義に関して「警視庁」は犯罪収益移転防止法の「実質的支配者の定義」について以下のように述べています。

 

“どのような自然人(個人)が当てはまるかは、法人によって異なります。”

 

ここで注目すべき点は「法人の性質」です。
犯罪収益移転防止法では、法人の性質に関して、以下の2パターンに分けられます。

 

【顧客等が資本多数決法人である場合】
株式会社、投資法人、特定目的会社等、有限会社など

 

【顧客等が資本多数決法人でない場合】
一般社団・財団法人、宗教法人、学校法人、社会福祉法人、特定非営利法人、持分会社(合名会社、合資会社及び合同会社)、医療法人など

 

上記のように2パターンに属性が分けられることによって実質的支配者が大きく変化します。

 

【まとめ】法人カードへの入会時に必ず確認しておきましょう!

法人カードの申告手順改正について

 

当ページ「法人カードの申告手順改正について」を最後まで読んでいただきありがとうございました。
犯罪収益移転防止法の改正や法人カード申し込み時の実質的支配者の申告方法の変更について解説させていただきました。

 

今回の内容は企業間の内容だけでなく、法律に関連される内容に伴い、とても専門的な言語や内容が多く少し理解しにくい部分が多く含まれていたかと思います。
しかし、法人カードへ入会する際に必ず必要となる申告手順です。

 

ご自身の法人の性質や実質的支配者などの詳細や申告方法をしっかり把握した上で法人カードへ申込みしてください。

 


法人カードの申告手順改正について